PR

ドイツの医療制度と病院事情|予約が取れない?風邪でも病院に行かない理由とは

ドイツ生活

ドイツと言うと高度な医療技術が充実した国というイメージが強い。確かに技術的には先進国の中でも進んでいるのだろうが、医療制度自体は破綻しかけており、国内で様々な問題が発生している。今回のブログでは、ドイツの病院事情について綴りながら、ドイツ人が好む民間療法や自然療法についても紹介したい。

かかりつけ医と専門医の分化制度

ドイツでは、まずHausarzt(かかりつけ医)に行き、必要があれば専門医への紹介状を書いてもらう仕組みだ。体調不良の際はまずかかりつけ医に相談することになる。ものもらい、うつ病、腹痛など、まずは症状を話して様子を見る。

ドイツの専門医は予約が数ヶ月ごとということも珍しくなく、精神科に至っては半年から1年待ちということもあるようだ。住む地域によって予約の取りやすさも大きく異なる。ベルリンに滞在していた際には、かかりつけ医の予約ですら取りにくく、「今は患者がいっぱいなので、来季に電話してください」と言われたことも頻繁にあった。

混雑している医院は四半期ごとに新しい患者を受け入れるため、四半期の最初の月に連絡すると予約が取りやすいかもしれない。ミュンヘンでは、これまで受け入れを断られたことはなく、どこでも割と予約が取りやすい。

海外生活では、必要なときにすぐ支援が受けられる体制を整えておくことが重要だ。体調不良時にすぐに診てもらえるかかりつけ医を探しておくと安心である。数ヶ月後に来てください、と言われても、意味がない。

風邪を引いても病院に行かない?

日本では、風邪をひいたらすぐに医師のところに行って薬をもらう人が多い。早く治して仕事に戻らなければならない事情もあるのだろう。しかしドイツでは、風邪の場合まずは自宅療法が一般的だ。頑張って病院に行っても、「水分とビタミンCを取って、よく寝るように」と言われる程度のことが多い。私も昔、風邪を拗らせて喉が腫れたときにかかりつけ医に行ったが、特に説明もなく痛み止めだけを処方された。結局原因もわからず、行った意味があったのか疑問だった。

そんな訳で、2022年にコロナに感染した時も、特段大きな症状はなかったので自宅で休養し、完治するのを待った。ちなみに、日本では風邪を引くと抗生物質をもらうことが多いが、これもドイツでは本当に必要な時(感染症など)しか処方されない。

ドイツ人が好きな自然療法

上述の通り、ドイツ人は軽い症状では病院に行かない傾向がある。何か重大な病気が起きてようやく病院に行くため、「予防」の概念が比較的薄いと感じることもある。

そんなドイツで人気なのが、自然療法である。まずはハーブ療法。薬局に行くと、ハーブ由来の自然な薬が所狭しと並んでいる。また、ハーブティーも薬局で販売されており、カモミール(Kamille)、セントジョーンズワート(Johanniskraut)、ペパーミント(Pfefferminze)、フェンネル(Fenchel)など、体調に合わせて購入できる。

植物由来の薬もたくさん取り揃えられている

ドイツでは薬草の研究が非常に進んでおり、薬草の効能を科学的に検証し承認する「コミッションE」という委員会も存在する。そのため、ハーブは単なる民間療法ではなく準医療扱いとなっている。

医療目的の長期休暇「クア」

ドイツには、医療目的の長期休暇「クア」がある。医師の診断書があれば、健康保険で3週間の療養滞在が認められることもある。実は義姉も今年、子ども2人と3人で3週間のクアに行く予定だ。シングルマザーとして子育てに追われ、燃え尽き症候群になる前に医師から勧められたそうだ(外から見る限り、本人は元気そうなのだが)。

クアで行われる内容は以下のようなものが中心である。

  • 温泉水治療
  • 気候療法
  • 泥パック(Moorbad)
  • リハビリを兼ねた運動療法

これは「自然療法+国の制度」の組み合わせで、日本にはあまり見られない独特の文化である。昨年、同僚の奥さんもガン治療後のリハビリとしてクアに参加していた。幸い早期発見だったため手術のみで治療が終わり、今では元気にしているそうだ。

まとめ

こうしてみると、ドイツの医療は自然療法から専門医の高度な技術まで幅が広い。しかし近年は病気になる人が増え、保険会社の支出が膨らんでおり、保険料も年々上昇している。予防医療に関する検査の多くは自費となりつつある。日本とは異なるシステムに戸惑うことがないよう、しっかり準備してドイツ生活に臨むことをおすすめしたい。

タイトルとURLをコピーしました