PR

【ドイツの教育最前線】親戚の子どもを見て思うこと

ドイツ生活

クリスマスも終わり、ようやく日常生活に戻ってきた。
今年のクリスマス休暇は夫の実家に帰省していたのだが、そのとき改めて、ドイツの子ども達を見て思うことがあったので、忘れないうちに書き留めておきたい。

この記事では、

  • クリスマスに会った甥っ子たちを通して見えた「ドイツの子ども」の様子
  • ドイツの学校や親たちが抱えるモヤモヤ
  • 「自分がここで子育てできるか?」と考えたときの正直な気持ち

あたりを、綴っていく。

甥っ子達と過ごす、賑やかなクリスマス

私たち夫婦には子どもはいないが、クリスマスのときは毎年、義姉・甥っ子2人・義母と一緒にワイワイ過ごすことになっている。

甥っ子たちは12歳と10歳。
まだまだやんちゃ盛りで、一緒にいるとかなりにぎやかである。

彼らを見ていると、

「今のドイツ社会の縮図って、もしかしたらこんな感じなのかもしれない」

と感じる場面が多く、面白くもあり、同時に少しモヤっともする。

ドイツの学校制度

ドイツでは、小学校が4年制度となっており、4年生にして、大学進学へと繋がるギムナジウム、基幹学校のハウプトシューレ、実科学校のリアールシューレの進路を選択する。これとは別に、将来の大学への進学の可能性も残した総合学校(ゲザムトシューレ)というものも存在する。総合学校からギムナジウムへの編入も可能だ。甥っ子の兄は総合学校、弟はギムナジウムだ。

ギムナジウムに通った場合、卒業試験に合格するとAbitur(アビトゥア)と呼ばれる卒業資格が授与され、その成績によって入学する大学を選択する事が出来る。日本と違って入試がないので、羨ましいと思われるかもしれないが、Abiturのための卒業試験は難易度が高く、博士まで取った夫もこれまでの人生でAbiturの卒業試験が一番大変だったと言っていた。

10歳で将来の進路を選択するのはなかなか大変。小学4年生の成績で果たして人生の見極めができるのだろうか。こうして見ると、ドイツ社会はエリートと非エリート層の境目がはっきりしている

イメージ図

子供の頃から自己主張は一人前

ドイツ人といえば「自己主張が強い」で有名である(個人によって程度の差はあるが)。
自分の権利はきっちり主張するし、そうしなければ社会の中で埋もれてしまう、という空気がある。

もちろん子どもたちも例外ではなく、甥っ子たちもとにかく主張が激しい。声も大きく、周りの都合はあまりおかまいなしだ。

日本なら「わがまま言わない!」と即座に叱られそうな場面でも、こちらでは割と寛容に受け止められている印象がある。

学校も基本的にそんな雰囲気で、先生もあまり細かいことは言わず、どちらかといえば「放任寄り」だという。

食事中もじっとしていられない12歳と10歳

クリスマスディナーの日。
みんなでテーブルを囲んでいるにもかかわらず、甥っ子たちは3分と座っていられない。

立ったり座ったり、うろうろしたり、どこかへ行ってしまったり、鬼ごっこを始めたり。

12歳と10歳といえば、本来ならそろそろ周りの様子も見られる年頃だと思うのだが、義母も義姉も、もはや半ば諦めモードである。

  • お手伝いなどまず期待できない
  • むしろ「やってもらって当然」という雰囲気すらある

そんな姿を見ていると、「働かないのに自己主張だけは一人前な社会人」とどこか重なって見えてしまうのは、私だけだろうか。

荒れ気味な学校と、親のモヤモヤ

甥っ子に最近の学校生活について聞いてみると、なかなかハードな話が次々と出てくる。

  • 体育の授業の前後、更衣室で殴り合いのケンカが起きる
  • 甥っ子の1学年上の5年生のWhatsAppグループで、
    ナチスを象徴するハーケンクロイツ(鉤十字)の画像が回ってくる
  • イタズラの爆破予告が生徒から送られ、警察も呼び、全校生徒が避難する事態に。

など、話題には事欠かないようだ。

義姉は「そもそも保護者の目が届かないWhatsAppグループは本当に必要なのか」と疑問に思い、保護者会でそのことを問題提起したという。

しかし周囲の反応は意外と冷ややかで、

  • 「今どきの子どもなら、だいたいどこもそんなもの」
  • 「あまり監視しすぎるのもどうかと思う」

といった空気が強く、あまり賛同は得られなかったらしい。

日本の学校事情を詳しく知っているわけではないので、単純に「日本のほうがマシ」と言うつもりはない。ただ、こうした話を聞いていると、ここで子どもを育てる親は、本当にタフでないとやっていけないなと感じてしまう。

正直な気持ち:ドイツで子育てできる自信がない

価値観は人それぞれだが、甥っ子たちを見ていると、私たち夫婦はつい、

「もし子どもができても、ドイツでは育てられないかもしれない」

と直感的に思ってしまう。

学校だけがすべてではないにせよ、私は学校を、

  • 家庭では教えきれないことを学ぶ場
  • 他人と一緒に生活する練習をする場
  • 社会で生きていくための基本的なスキル
    (段取り、片付け、ルールを守ることなど)を身につける場所

だと考えている。

家庭でどれだけ努力しても、子どもが1日の大半を過ごす学校がきちんと機能していなければ、その努力はなかなか実を結ばない。PISAの調査でも、ドイツの学力は年々下がり気味だと言われており、甥っ子たちの様子を見ていると「確かにそうかもしれない」と思うところもある。

宿題のない休み、日本とのギャップ

ついでにもう一つ。
ドイツでは、夏休みや冬休みに宿題がない学校も多い。あったとしても、日本とは比べものにならないくらいライトな内容である。

YouTubeでハーフキッズの動画などを見ていると、

  • 「ドイツの休みはとにかく暇」
  • 「日本は課題に追われて忙しいけれど、そのぶん毎日が充実している」

といった声をよく見かける。

どちらが良いかは、その子どもや家庭のスタイル次第だと思う。ただ、ドイツと日本では、そもそもの「子ども時代の過ごし方」の前提がまったく違うのだと、甥っ子たちを見ながら改めて感じさせられた。

おわりに:あなたならどこで子育てしたいだろうか

今回はかなり主観的に、「ドイツの子どもを見て思うこと」を書いてみた。

自己主張がしっかりしているのは良いことである一方で、その裏側で「責任」や「周りとの折り合い」がきちんと育っているのかどうか。甥っ子たちと過ごすクリスマスのたびに、そんなことを考えさせられる。

もしあなたが海外生活やドイツ移住を考えていて、将来子どもを持つことを考えている(あるいは子どもと一緒に移住する)としたら、
「自分なら、どこで・どんな環境で子育てをしたいか」
一度イメージしてみると、また違った視点で見えてくるかもしれない。

タイトルとURLをコピーしました