ドイツは本当にエコ大国なのか?

エコ

ドイツと言えば、環境先進国として認識されていることが多い。ドイツのエコに関する取組みも日本では注目されている。確かに、ドイツ人の環境意識は総じて高い方であると思う。

ナマケモノ
ナマケモノ

そういえば、私がドイツに関心を持ち始めたのも、エネルギーや環境問題に関心があったからでした。

ただ、時々、首をかしげたくなるようなことがあり、物によっては、むしろ日本の方が取組みが進んでいる印象を受けるものもある。

今日はそんなドイツでのエコ議論について、ドイツ在住者として不思議に思うことをお伝えしたい。

ゴミの分別は意外と雑

ドイツに来て意外だと思ったのが、ゴミの分別が徹底されていないこと。ドイツでは、普通ゴミ、プラごみ、金属類、瓶、紙、有機ゴミに分かれている。

ただ、プラごみの中に、どう見てもプラでにないものが捨てられていたり、普通ゴミの中に粗大ごみが捨てられていたり、と分別がかなり雑な印象を受ける。

日本では、異なるカテゴリーのゴミを指定位置意外のところに置いた場合、回収してもらえないことがある。特にマンションなどでは、回収してもらえなかったゴミに貼紙等が貼ってあり、普通の人であれば羞恥心からきちんと分別することを心がける。日本ではゴミ置き場ですら、整然としている。

かたやドイツでは、粗大ごみであったとしても、放置されているものはいつの間にか片付けられている。

瓶類のゴミ捨て場に放置されている棚

金属、瓶のコンテナの前に、食洗器と冷蔵庫が捨てられていたこともある。こういうところを見ると、ドイツって実はそんなに環境意識が高いわけではないのでは…?と思わざるを得ない。

牛肉はダメなのに、コーヒーはOK?食にまつわる矛盾

環境意識の高い人達は、環境負荷が高いと言われる牛肉を避ける傾向にある。ドイツでベジタリアンが増えている背景には、環境意識の高まりも関連している。牛肉以外にも、魚は地元産(淡水魚)でなければ輸送の際のカーボンフットプリントが高過ぎる等、色々なことを言っている人たちがいる。

正直言って、面倒くさい。

自分の場合、エコよりも、まずは自分がハッピーに暮らせることが一番重要だと思っている。それを実現した上で、エコについて考えることは非常に大事である。

牛肉も、魚も、それ以外の食材も、自分にとってはなくてはならない栄養源。消費量もさほど多くのないので、全く食べないという選択肢は自分の中にない。

悪者扱いされている牛たち

そして、不思議なのが、あれだけ牛肉を悪者扱いしているのに、なぜかコーヒーは大量に消費している。個人的には、コーヒーだって、ブラジルの森林破壊や輸送にかかる環境負荷が高いではないか、とツッコみたくなる。この辺りのバランス感覚が、ドイツには欠けているような気がしてならない。

かつて、小泉環境大臣がニューヨークを訪問中に記者に対して「毎日でもステーキを食べたい」と回答していたことが、メディアで批判をされていた。

ステーキや牛肉を毎日食べたいかどうかさておき、「コーヒーを毎日飲みたい」と言ったところで、さほど批判が来るとも思えない。

あらゆるものの命を頂く、という発想の下、日本では肉、魚、野菜、果物を万遍なく摂取する。問題なのは、消費そのものではなくて、消費の仕方なのでは?個人的には思っている。

車社会はいいの?

そしてドイツ最大の環境負荷は車でなかろうか。ドイツは自動車産業が強いということもあり、ほとんどの人は車を保有し、長距離旅行も車で移動する人も多い。

普段は節約に走るドイツ人も、車だけは別である。大金をはたいて、ポルシェやベンツを買う人も多い。

ドイツの鉄道は遅延が多く、また、価格も昔と比べて高くなってきているため、車での移動は依然としてドイツ国民の重要なライフラインだ。

ここでもバランス感覚が不思議だと思うのは、職場や家で、電気を限界までつけないで我慢?しているのに、高速道路を自家用車でぶっ飛ばして走っていく。

ナマケモノ
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場所によっては、お湯を使い過ぎると大家に怒られる、というケースもあるらしいです。お風呂好きの日本人にしてみたら、勘弁してほしいですね••。

個人的には、家で快適に過ごして、電車やバスで移動する方が、よっぽど環境に配慮していると思うのだが、皆さんはどうだろうか。

まとめ ドイツのエコ意識は一面的には語れない

ドイツはエコ大国か、という問いに対す著者の答えは、Jain(イエスともノーともいえない微妙なところを表すドイツ語)である。「こうあるべき」という考えが先行しすぎていて、バランス感覚に欠けているというのが日本人である著者の感想である。

もちろん、生き方は人それぞれだ。電気をつけない暗がりで、野菜だけを食べ、肉を食すことに対して蘊蓄を語り、時にストレスを発散するために高速道路を時速130km以上でぶっ飛ばす、という生活が幸せだというのであれば、それも一つの生き方である。

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