ドイツで健康的な食生活を送るヒント【続編】

食べもの

以前、ドイツでの体調不良を機に始めた食生活の見直しについては、以前のブログ記事で紹介した。


今回はその後の変化や気づきをもとに、ドイツでより健康的に過ごすための実践的な工夫をまとめたものである。

あくまで個人的な体験ではあるが、海外生活で健康を意識したい人や、ドイツの食文化に戸惑っている在住者にとって、何らかの参考になれば幸いである。

ちなみに、私の日本の家族も割と健康オタクであり、そのDNAを確実に引き継いでいると感じる。もちろん、どんな健康方法よりも、笑って楽しく過ごすことが一番の健康ではあると思うので、楽しみながら続けていきたい。

血糖値の急上昇を避けるための食品選び

血糖値を急激に上げる食事は、糖尿病のリスクだけでなく、倦怠感や集中力の低下にもつながる。
該当する食品には、以下のようなものがある:

  • 白米、白パンなどの精製炭水化物
  • 菓子パンやケーキなどの甘味類
  • 清涼飲料水
  • 揚げ物や加工食品に多い脂質

ドイツでの食生活では、炭水化物の摂取が避けにくく、またケーキやパイなど甘い菓子類も日常的に出回っている。そして、菓子類の甘さが半端ない。

ドイツ料理といえば、こんな感じ

日本のように「出先で軽く蕎麦を食べる」選択肢も少なく、外食や人付き合いが続くとすぐに胃腸の不調を感じるようになった。

東洋医学の医師からは、「エネルギーがなだらかに上昇する食品を選ぶべきだ」と助言を受けた。
具体的には、以下のような食材を日常に取り入れるようにしている:

  • 玄米や全粒粉など未精製の穀類
  • 季節の野菜 (ただし、生野菜は冷えに繋がるので、要注意)
  • 果物はほどほどに
  • 良質なタンパク源(豆類、魚、卵)
  • オメガ3脂肪酸を含む食品

実際、これまでブレインフォグのような頭がぼーっとする状態や倦怠感で起床できないということが多々あった。今ではスッキリ、朝6時頃に起床できるようになり、以前よりもエネルギーが湧くようになった。

オメガ3脂肪酸の摂取

現代人は、オメガ3脂肪酸の摂取量が不足しがちである。日本ではサバやイワシなどの青魚から自然に摂れる栄養素であるが、ドイツでは魚の摂取機会が少なく、自然な形で補うのは難しい。


これが不足すると、以下のような不調を招きやすい:

  • 慢性的な疲労
  • 肌の乾燥
  • 思考力や集中力の低下
  • 各種炎症性疾患の悪化

そんな中、救世主とも言える存在が、アマニ油(Leinöl)である。
ドイツのスーパーやBioladen(オーガニックショップ)でも比較的簡単に入手できる。以下の点に注意して使用している:

  • 加熱に弱いため、サラダやグラノーラに直接かけて摂取
  • ディップやポリッジに混ぜるなど、冷たい料理に活用
  • 酸化を防ぐため、開封後は冷蔵保存&2〜3週間以内に使い切る

私自身も、オーストリア旅行で地元農家が製造したアマニ油を購入し、朝食やサラダに日常的に取り入れている。

もちろんアマニ油だけでは摂取しきれないので、ナッツやドイツで買える魚(鮭や鱒など)を積極的に取り入れるようにしている。

オーストリアで購入したアマニ油

オメガ3脂肪酸は抗炎症作用があるとされており、婦人科系疾患やリウマチなどの慢性炎症性疾患に悩む人にも有益である。

運動不足と水分不足に注意

健康的な食生活に加え、意識的に身体を動かすことも重要である。
特にドイツでは、パンデミック以降、在宅勤務が主流になっており、私自身もほぼ在宅ワークで完結している。

その結果、一日中ほとんど動かずに過ごしてしまうことも珍しくない。これが長期化すると、血流や代謝が悪化し、体調やメンタルにも影響を及ぼす。

現在は以下のような運動習慣を意識的に取り入れている:

  • 毎日の散歩(最低30分)
  • 週2回のジム
  • 週1回のヨガ
  • 仕事中、こまめに休憩を取り入れて、ストレッチなどをする
  • エレベーターではなく階段を使う

これらは「特別な運動」ではないが、日常に無理なく組み込める持続可能な健康習慣である。
ドイツでは天候に関係なくジョギングをする人も多く、ランニング仲間を募るコミュニティも活発である。継続が難しい人は、こうした仕組みを活用するのも一つの手である。

よく散歩に行く公園、緑が豊かで気持ち良い

また、ヨガについては、国民保険に認定されたヨガコースを受講すると、費用が事後的に還付されることがある。私が通っているコースは10回で140ユーロなのだが、このうち75ユーロは保険会社から還付される。

そして、運動に加えて、ドイツで耳タコなのが、水分を取るということ。1日に少なくとも1.5Lは摂取した方が良い。東洋医学の先生にも、水分を取らないと血流が滞るため注意するようにと言われている。以前は片頭痛持ちであったが、水分補給するようにしてから、頭痛に悩まされることはほとんどなくなった。

終わりに|海外生活では「自分に合った健康習慣」が重要

ドイツの食文化やライフスタイルは、日本人の体質や感覚と大きく異なる部分が多い。
何より、日本で当たり前にできていた“バランスの取れた食事”が、ドイツでは簡単に再現できないという現実がある。

しかし、体調を崩した経験から学んだのは、「自分に合ったやり方」を見つけることの大切さである。
若い頃は何も感じなかった体の反応も、30代を過ぎてから大きく変化してきた。

「若いから大丈夫」と思っていても、誰しも体の変化は訪れる。
年齢にかかわらず、自分の身体の声に耳を傾け、柔軟に生活を見直す姿勢が、海外生活では特に重要であると感じている。

特に、海外での手術や入院は、日本と異なる部分も多く大変である。病院に厄介にならない生活が一番ハッピーだと思うので、年齢にかかわらず、これからも地道に自分に合った方法を続けていきたい。