ミュンヘンで老舗カフェといえば、まず思い浮かぶのが「ダルマイヤー」。
王室御用達として名を馳せ、日本にも進出するこの名店は、観光客にも地元民にも愛され続けている。こちらの記事で紹介した最近のお店とはまた異なる雰囲気の老舗カフェ。
今回は、そんなダルマイヤーの本店を訪れ、その魅力をじっくり紹介したい。
アクセス、観光情報
ミュンヘンの中心部ともいえるマリエン広場から徒歩5分の立地にあるダルマイヤー。観光の合間の休憩に立ち寄るのにちょうど良い場所である。近くにはレジデンツや、バイエルン州立歌劇場、オーデオン広場といった観光名所が集まっているので、散歩をするだけでも楽しいエリアだ。
外のショーウィンドーには、コーヒーやチーズといった商品が綺麗に並べられており、高級食材店の雰囲気を醸し出している。

ちなみに、日本では大阪の中の島にカフェが進出している。ハムやソーセージ、プレッツェルなどが食べられるので、近くに立ち寄る際は是非行ってみて欲しい。

ダルマイヤーとは 王室御用達の老舗ブランド
日本語の公式サイトによれば、ダルマイヤーの発祥は約300年前。ミュンヘンの市街地にあった小さな雑貨店が始まりとなる。当時の経営者が王室のシェフたちと交流があったことから、王室や貴族の御用達店として発展していったようだ。今ではミュンヘンっ子に愛されるカフェ、高級食材店となっている。ちなみに、完全に個人的な感触ではあるが、ドイツでは老舗ブランドは日本ほど多くない。日本や中国、アジアの国々はどちらかというと長期的ビジネス思考。(個人的な感想だが)ドイツは新陳代謝が早く、スタートアップ文化も盛ん。その分、日本ほど“老舗”という存在が目立ちにくいのかもしれない。
入口から入って右手は生鮮食品、総菜売り場になっている。魚、チーズのほか、出来合いのお惣菜、高級食材が所狭しと並んでいる。私のお気に入りは、お総菜売り場のVittelo Tonato。家でイタリア料理を作るときに前菜の一つとして時々購入している。その他、サラダやドイツ料理のクヌーデル、パスタ・ラビオリなども販売されている。量り売りのサラダはかなり割高で、値段の割に味は意外と普通。特にここでなければ食べられない、という味ではなかったので、ご参考までに。

甘党の人にお勧めなのは、ケーキ売り場やチョコレート売り場。街角のパン屋さんよりも高級感のあり、サイズもお手頃なケーキがショーケースに並べられている。また、個包装のバウムクーヘンも様々なサイズが並んでいるので、日本へのお土産にピッタリだ。

観光客も多く訪れるお店だが、もちろん地元の人にも愛されている。お店にはレストランとカフェも併設されており、平日・休日を問わず、賑わっている。
味わいの秘密 豆の選定と焙煎へのこだわり
ダルマイヤーと言えばコーヒーも有名だ。REWEなどの通常のスーパーでも、ダルマイヤーのProdomoシリーズが販売されている。ミュンヘンの本店では、他にもスペシャルティコーヒーが販売されており、酸味や苦みなど自分の好みに合わせたコーヒー豆を購入することができる。
パッケージも花柄でお洒落で可愛いので、お土産にも最適だ。ハーブティーも豊富に用意されており、フルーツの入ったお茶などは日本にはあまりないので、家族や友人へのお土産としてよく購入している。

さて、気になるダルマイヤーのコーヒーのクオリティ。ダルマイヤーでは、ダルマイヤーのコーヒーは原料の持つ味わいを最大限に引き出すよう、コーヒー豆が採取された後、水洗式で処理されたものが使用されているとのこと。これまで、何種類かギフトやお土産にコーヒーを選んできたが、どれも好評だ。自分でも試し飲みしてきたが、酸味の強い種類を除いて飲みやすい。

コーヒーの裏側にあるサステナビリティへの取組み
老舗がどのような取組をしているのか気になったので、調べてみることに。コーヒーの多くはエチオピアからの輸入のようだが、フェアトレードやオーガニック認証などの基準に沿った取引を行っているとの記載がある。そして、現地の農家の支援や、森林再生のために5,500万本以上の苗木を植樹しているようだ。
欧州では特に、労働者の人権や環境への配慮に対する顧客の目が厳しい。ウェブサイトに記載の取組みは、ほんの一例かもしれないが、購入する顧客にとってはそのブランドを選び続けるかどうかの重要な基準となる。

おすすめの楽しみ方
「ダルマイヤー プロドーモ」は、クラシックなフィルターコーヒーの淹れ方に最適なブレンドである。フィルターコーヒーメーカーやハンドドリップはもちろん、フレンチプレスでも楽しめる万能タイプであり、毎日の一杯に適している。しっかりとしたコクと香ばしさを持ち、伝統的なドイツコーヒーの味わいを感じることができる。
一方、「エチオピア・フィンチャワ」と「コスタリカ・ラス・ヌベス」は、いずれも産地の個性が際立つスペシャルティコーヒーである。
エチオピア・フィンチャワは、イルガチェフェ地方アドルシ・ウォッシングステーションにおいて、約800人の小規模農家が有機的な農法で栽培したコーヒーである。標高1,950メートルの高地でゆっくりと熟したコーヒーチェリーは、甘く繊細で複雑な香味を生み出す。サステナブルな取り組みと伝統的な精製法が融合しており、透明感のある味わいが特徴である。
コスタリカ・ラス・ヌベスは、50年以上の経験を持つロベルト・マタ・ナランホ氏が手がける環境にやさしいコーヒーである。節水型エコパルパーを備えたマイクロミルで丁寧に精製され、ハニーやナチュラルプロセスによって豊かな香りとやわらかな甘みが引き出される。
スペシャルティコーヒーのウェブサイトでは、それぞれの淹れ方に応じてコーヒー豆の挽き具合も記載されているので、参考にしていただきたい。
まとめ
ダルマイヤーは、長い歴史を持つ老舗ブランドであり、ミュンヘン本店では地元の人々や観光客に愛されるカフェであると同時に、高品質なコーヒー豆や高級食材を提供する専門店である。
プロドーモシリーズは、毎日の一杯として楽しめるクラシックなブレンドであり、フィルターコーヒーやフレンチプレスでもその味わいを堪能できる。一方、産地の個性が際立つスペシャルティコーヒーは、サステナブルな取り組みや丁寧な精製が、香りや風味の豊かさにつながっている。
本店では、観光の合間にカフェでゆったり過ごすのも良し、自分好みのコーヒー豆を見つけて持ち帰るのも良し。
歴史ある老舗の味わいと、品質へのこだわり、そして環境や生産者への配慮が融合したダルマイヤーのコーヒーは、特別な体験を提供してくれる。

ミュンヘン観光の際には、ぜひ立ち寄ってみてください!
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