何を隠そう、私は大の食いしん坊です。三度の飯より●●という言い回しがありますが、私の場合は三度の飯より三度の飯。とにかく、(高級という意味ではなく)美味しいものを毎食ほおばりたいし、頭の中では大抵「今日は何食べようかな」と考え、(普段は腰が重くても)食のためなら遠くに出かけることも厭いません。とりあえず、食への執念が凄まじい。なので、自分達の食がどのように成り立っているのか、持続可能な食糧生産とは何か、といった食にまつわるテーマにも興味を抱いています。今日はタンパク質に関する最近のドイツ事情についてご紹介していきます。
ドイツにおけるタンパク源
皆さんはタンパク質と聞いて何を思い浮かべますか?卵、肉、大豆製品、魚、乳製品・・日本ではお肉を消費しなくても美味しい代替食品が沢山ありますよね。ドイツと言えばビールにソーセージというイメージですが、イメージどおり、タンパク源の多くは肉類となります(加えて乳製品・穀物)。レストランでお肉料理を頼むとものすごいボリューム。日本人の消費量とは比較にならない感じです。ちなみに、ドイツ人の肉の消費量は、一年で一人当たり52㎏!日本も実はそれなりに消費量は多く2020年時点で一人当たり33.5㎏だそうです。
そんなドイツでは、気候変動や環境負荷が大きなテーマとなっている今、肉の消費量は徐々に減少しています。連邦農業・食糧省によると、ドイツにおける肉の消費量は2021年に比べて4.2kg減少し、1989年以降最も低水準となっているとのこと。確かに、ここ最近、自分の周りでもベジタリアンや菜食主義となる人が増えているような気がします。ドイツでレセプションやパーティーなどをオーガナイズする際には、必ずと言っていいほど菜食主義者・ベジタリアンにも配慮したメニューを組みます。日本ではなかなか菜食主義のお店はなく探すのに苦労するので、ドイツ人を仕事で日本に案内する際には、密かにベジタリアンでありませんように、と心の中で祈っています。私は個人的にお肉もお魚も美味しいものを万遍なく食べたい派なのですが、環境負荷を減らすに越したことはないので、オーガニックスーパーなどで少量だけ買うようにしています。畜産物の生産には広大な土地や飼料が必要であると言われており、国内だけでその消費量に対応することは非常に難しくなっているのが現実です。
ただ、肉を食べない場合、その栄養素をどう他のタンパク質を代替するのか?という疑問がつきまといますよね。特にドイツでは。乳製品、穀物で代替するとしても、そんなに沢山食べられないですし。。豆、冷凍の魚、(変な)豆腐を駆使して手を変え、品を変え、生き延びている感じです。こうした背景から、新しい技術を駆使した食品開発「フードテック」がドイツでも盛んになっているようです。エンドウ豆タンパク質のスタートアップ企業グリーンフォースや植物由来の卵(?)を作るNeggstというスタートアップ企業など、面白い企業がハンデルスブラット紙で紹介されています。
タンパク質作物戦略
ドイツ政府も、連立協定の中で「タンパク質作物戦略」(Eiweißpflanzenstrategie)を発展させることを表明しています。連立合意の中には、植物由来の代替食品を強化し、連邦政府がEUにおける代替タンパク源や代替肉などのイノベーションの承認に取り組むという声明も含まれています。上記戦略は国際的な枠組み条件を考慮しながら、国内のタンパク質植物(マメ科植物、クローバー、アルファルファスプラウト等)の競争上の不利を軽減し、研究のギャップを埋め、必要な対策を実際に試験・実施することを目的としたものです。
色々な資源が枯渇する中、食糧についても、どのように持続可能に供給していくか考えていく必要があるようです。